【アルバムは世界を旅した記録】コンゴ×ベルギーのSSW、テメ・タンがデビュー!


コンゴとベルギーの両親を持ち、ボサノヴァから日本のアーティストまで幅広い音楽要素を取り込んでいることから、ワールド・ミュージックとして各方面から高い評価を獲得しているテメ・タン。「Ça Va Pas la Tete?」がFIFA 18のサウンド・トラックに使用され、全世界から注目を集めるようになったテメ・タンのデビュー・アルバムが今月8日にリリースされた。FIFA 18のサウンド・トラックにも起用された「Ça Va Pas la Tete?」は、耳にしたことがある人も多いはず。今回は彼のルーツに迫りながらニュー・アルバム『テメ・タン』を紐解いていきたい。

【プロフィール】

テメ・タンは、コンゴ民主共和国とベルギーの血を引くマルチ・インストゥルメンタリスト/プロデューサー、タンギー・ハセヴーツによるソロ・プロジェクト。コンゴ民主共和国で生まれたのち、両親の影響でベルギーとキンシャサ(コンゴの首都)を行き来する生活を送る。コンゴの親戚たちに囲まれズークやルンバなどの音楽になれ親しみながら育ったタンギーは、その後ブラジル音楽であるボサノヴァ、トロピカリアに夢中になり、それがきっかけでギターを始めることになる。2015年にはアルバム・デビュー前にも関わらず日本ツアーを敢行。コーネリアスやツジコノリコなどといった日本のアーティストにも影響を受け、それは彼の音楽性をより一層豊かにしていった。

【名前のルーツ】

テメ・タンという名前のルーツは、実は日本にあった。タンギーが日本を初めて訪れたのは2009年のこと。スペイン南部にあるアンダルジアに留学中、そこで出会った日本人女性(タンギーは彼女をソウル・シスターと呼んでいる)を訪れるため日本に初来日。そこで日本の人たちが、彼の名前である「タンギー」は発音しにくいため、「タン」というニックネームをつけたそう。そしてテメ・タンテメは、日本語の「手」と「目」からきている。タンギーは視力があまりよくないのだが、ライブをする時は、いつも落ちてしまわないようにメガネを外して演奏している。メガネを外すと、周りがよく見えなくなって、手が彼にとって目の代わりとなるということから、日本でのニックネーム「タン」とそれを合わせてテメ・タンという名前にしたそう。

【楽曲制作は道中で】

日本を訪れて以降も、ペルー、ブラジル、ノルウェー、ギニアなど世界中を旅行し、そこで出会った様々な文化や思想から影響を受け、独自の音楽スタイルを確立してきたタンギー。そんな彼が今作『テメ・タン』の楽曲制作を行ったのは、旅行先の電車の中、ボートの上、山道、高層ビル、森の中など、実に幅広い。楽曲のテーマは、彼の幼少期について歌ったものから、恋愛、自らのルーツまで、多岐にわたり、旅先で感じた雰囲気や風景をインスピレーションの源として自らの音楽に取り込んでしまう彼の才能には思わず惹きつけられてしまう人も多いだろう。

先日MVも公開された「Coups De Griffe」は、恋愛がテーマの曲。この曲についてタンギーは、「恋愛関係においての、主体性について歌っている曲だよ。自分自身に満足できればできるほど、恋愛関係もよりよくなっていくと僕は信じているんだ。」とコメント。

【自らのルーツを求めて】

ボサノヴァから日本のアーティストまで、国境を超えた様々な音楽スタイルに影響を受けていることから、しばしばワールド・ミュージックというジャンルにカテゴライズされているテメ・タンの音楽。しかし、彼はこれを奇妙に感じているという。コンゴとベルギー両方の血を引くタンギーは、自らをアフリカンとしても捉える一方で、コンゴではベルギーの血も入っているため周りからは白人として捉えられていた。そのため、自分のアイデンティティを持つことは決して容易なことではなかったという。しかし、Konono n°1というコンゴの音楽集団の発見は、彼の中で大きな転機となった。

こちらがKonono n°1Boiler Roomでのパフォーマンス。

ベルギーにいた時ラジオで流れていた90年代のラップ・ミュージック、60年代のブラジリアン・グルーヴ、00年代の日本のエクスペリメンタリズムからアニマル・コレクティブ、クラウデッドといった現代のバンドまで、これまで彼が出会ってきた様々な音楽と、コンゴらしいKonono n°1の音楽、それら全てが融合し、タンギーの音楽のアイデンティティの確立につながったという。

自らのアイデンティティを探り旅を続け確立されてきたテメ・タンの音楽はまさに唯一無二。Sofar Soundsでのパフォーマンス映像では、最初は控えめだったオーディエンスも、徐々にテメ・タンの音楽の虜になっていく様子が伺える。聴く者をワクワクさせるような魔法の音楽が詰まっている、テメ・タン待望のデビュー・アルバム『テメ・タン』。この機会にぜひご一聴を!

(現在発売中のミュージック・マガジンにはテメ・タンのインタビューが掲載されているので、彼を深く知りたい方はぜひ手にとってみて♪)

【アルバム詳細】


アーティスト名:Témé Tan (テメ・タン)
タイトル: Témé Tan (テメ・タン)
発売日:好評発売中!
品番:HSE-6516
レーベル:PIAS / HOSTESS
価格:2100円+税
※初回仕様限定:ボーナストラック・ダウンロードコード付ステッカー封入(フォーマット:mp3)。歌詞対訳、ライナーノーツ付

[トラックリスト]
1.Améthys
2.Ça Va Pas La Tête ?
3.Champion
4.Menteur
5.Coups De Griffe
6.Ouvrir La Cage
7.Le Ciel
8.Matiti
9.Olivia
10.Sè Zwa Zo
11.Tatou Kité
12.Hospital

*日本盤ダウンロード・ボーナストラック
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