【インタビュー記事】フランツやトラヴィス等が参加する究極のコラボ・グループ、BNQT(バンケット)!


BNQT / Volume 1 (a-sya)(HSE-4052) WEB

ミッドレイクのエリック・プリードの呼びかけによって、フランツ・フェルディナンドのアレックス・カプラノス、バンド・オブ・ホーセズのベン・ブライドウェル、トラヴィスのフラン・ヒーリィ 、グランダディのジェイソン・ライトルらが集結した、スーパー・グループ、BNQT(バンケット)。トラヴェリング・ウィルベリーズ以来の究極のコラボグループとしてロック・ファンから注目を浴びている彼らのファースト・アルバム『ヴォリューム 1』がついにリリースとなった!音楽メディアからの評判は高く、評価に厳しいことで有名なガーディアン誌はレビューで”メロディック・ロックを奏でるスーパー・バンド、BNQT(日本語訳:宴会)が本物のごちそうを提供してくれた”と絶賛し、5つ星をつけている。

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このたび、バンドの発起人でもあるエリックとジェイソン(グランダディ)、ベン(バンホー)にインタビューを実施!スーパー・バンド結成までの経緯や、メンバーの所在地がバラバラの中で行われた楽曲制作の過程について、そして今後の活動について語ってくれた!まずは、ミッドレイクのエリックのインタビューからどうぞ。

ERIC PULIDO (Midlake)
・元々このプロジェクトは何からインスピレーションを受けてスタートし、今の形に発展したのでしょうか?この”スーパーグループ”のアイディアに関して、何か特別な条件やルールはあったのでしょうか?

「インスピレーションは、以前僕が経験したスタジオやステージでのコラボレーションかな。そのコラボの数々はいつも喜びに満ちていたんだ。今回のプロジェクトはそのコラボレーションの延長で、今までよりもコンセプトと目的を意識したものになっているんだ。それに、”書いて、レコーディングして、ツアーをする”という音楽のお決まりのサイクルにもちょっと飽きていたから、それを音楽的な何かでありつつもミッドレイクで15年間フォーカスしてきたものとは違う形で打破したかったというのもあったね。メンバーに彼らを選んだのは、単純に彼らを人としてもミュージシャンとしても尊敬しているし、彼らとフルアルバムを作れたらクールだなと思ったから。彼らをテキサスのデントンに呼んでレコーディングすることになるにせよ、データのやり取りでそれを制作することになるにせよ、彼らにとりあえず数曲作って欲しいと頼んで、そこから一緒に作業を始めようと思った。とりあえず始めてみるまで、それがどうなるかはわからないからね。アイディアをまず投げてみて、そこから面白いものが生まれるか、このプロジェクトが可能かどうか様子をみたかった。彼らから返って来たものには感動したし、この旅に一緒に乗り出してくれたことが嬉しかったし、それがどんなものになるにせよ、僕たちが作ろうとしているものに心から興奮したよ。」

・このプロジェクトのアイディアを固めた時、何を基準にコラボレーターを選んだのですか?
「すごく自然でオーガニックな流れだった。大部分は前にコラボしたことがあり、彼らを知っていたこと。そして、同じ価値観をもっていること。だからこのプロジェクトは、ただそれをオフィシャルでやるようなものなんだ。僕たちは、自分たちそれぞれのスタイルがひとつ屋根の下に共存することが出来ることがわかっていたし、少なくともそれを実現させたいと思っていたしね。」

Alex and Eric photo from BNQT twitter

・それぞれの美学をどう調和させようと考えていましたか?参加しているミュージシャンの間に存在する共通のサウンドを突き止めるのは大変だったのでしょうか?

「メンバー全員が素晴らしい曲を書いてくれたよ。それに、彼らは皆、自分たちの間に漂う独特のフィーリングやヴァイブスをすぐに感じ取っていたと思う。そこに色々と肉付けしていって、どう発展していくか様子を見てみたんだ。最終的には、このプロジェクトが異なる声と影響の集合体だとしても、プロダクションとプレイヤー達の共通点が、作品を不変のもの、そして一つにすることがわかったんだ。1番恐れていたのは、どの様にすればフィーチャーされたアーティスト皆が僕たちの方向性を気に入ってくれるか、もしくはそれを実際に見出すことができるのか、だった。個人的には皆気に入ってくれていたと思うし、少なくとも気に入ってくれたフリは上手かったよ(笑)僕らは皆”インディ”という傘の中に落ち着くんだと思うし、誰かと一緒に何か新しいものを作りたいという野望をもっている。それが僕らの間に存在する強く固まった繋がりだと思うね。」

・アルバムが完成するまでに時間がかかったと伺いましたが、もしかしたら完成しないんじゃないかという疑念は持ちませんでしたか?
「メンバーにはそれぞれに家族やバンドがいるし、皆忙しいという障害は初めからあったよ。それがなければ全てを同時進行できたんだけどね。僕のそもそもの夢は、皆に一緒に街に来てもらって、一緒に食事をしたり、飲んだりしながら音楽を作ることだった。でも、それは想像以上に難しいことだったんだ。フランとジェイソンがレコーディングのために来て帰ったあとも、まだ作業は残っていたし、それを離れ離れの状態でやらなければいけなかったプロセスは、両刃の剣だった。でも、完成できないんじゃないか?って疑ったことはなかったね。良いものを作り上げるには、殆どの場合忍耐が必要だしね。」

・レコーディングはどのように行ったのでしょう?何人のアーティストが実際スタジオを訪れ、そしてどれくらいおきに集まっていたのでしょうか?全員が同じ部屋に集まったことはありましたか?
「全員が同じ部屋にいたことはなかった、、、今のところはね。テクノロジーに感謝しないと。テクノロジーのおかげで、遠くにいても作業が出来たんだから。ジェイソンとフランはそれぞれ別の時期にここへ来て、大体5日間ずつステイしていた。その間にとにかく出来るだけの作業を済ませたんだけど、彼らが近くで色々と教えてくれて、本当に助かった。本人達がいる前で曲のプロデュースと演奏を助けるというのは少し骨の折れる作業で、ただ彼らがそれを気に入ってくれるのを願うのみなんだ。ベンとアレックスはここに来ることはなかったんだけど、ある意味それで良かったとも言えるね。僕たちの作業の出来を気にせず、まず彼らが良いと思って作った音を得ることが出来たから。まあ、Eメールの返事を待つのはやはりちょっと気が滅入るけど(笑)でも、結果的にみんな協力的だったし、一緒に作業出来てすごく楽しかった。特に、それぞれの色々なプロセスと考え方が一つになっていることを考えると、素晴らしいと思うね。皆が共存出来る場所を見つけ出し、その中で作品を完成させることが出来たのはクールだと思う。」

Photo from BNQT twitter

・離れ離れの中でレコーディングを行う上で、参加アーティストはそれぞれにどの程度音源を提供し、それをどのようにまとめ&アレンジしたのですか?
「基本的には、メンバーの誰かが僕らと一緒の部屋にいる時は、既に形になったものを彼らが変化させてくれたし、離れている場合は自分達のフルのプロダクション・アイディアを提示して、そこからアイディアのキャッチボールをした。どこにいるかは関係なく、皆すごく協力的だったし、争いが起こることもなかったね。多分、何も期待していなかったのと、過去作品にとらわれることがなかったから、作業をただ楽しむことが出来たんだと思うし、曲を自然の流れに任せて作ることが出来たんじゃないかな。」

・AORへの関心が高まってきているようですが、そのスタイルは嘗てどういうわけか非難されたものでした。(その支持者として、Matthew E. WhiteやFather John Mistyがすぐに思いつきました)なぜそのような状況になっているのだと思いますか?
「全てのものには波があると思う。そのサイクルがどれくらいのペースで機能しているか、違いはそれだけさ。嘗て、僕たちの周りにはアルバムがあったし、ラジオが流れていた。それがその時代のスタイルだったからね。そのアルバムの数々は、僕にとっては母乳のようなものだった。それが自然と出て来るのか、自分の一部になっているのかもしれない。僕はよく、インスピレーションを得るために過去を振り返るしね。それは模範ではなく、モチベーションの元であり、それを基盤に自分の音楽を作っていくのさ。」

・その時代のどのバンドにこのレコードは影響されていますか?どのバンドの曲が、BNQTの美学を一番代表していると言えるでしょうか?
「音楽に関して、僕は少し客観性に欠けていて、自分たちの音楽が”何”に聴こえるのかを明らかにするのはすごく大変なんだ。だからレビューに助けられることもあるし、皆がなんと言っているのかを聴くのは面白いよ。敢えて言うとすれば、ELOやSupertramp,Wings、The Band、Beatles、Stonesを始めとする初期の音楽界に影響を与えたバンドかな。僕たちの音楽がいったいどんな”香り”がするのか、皆から僕たちに是非教えて欲しいね。」

・ABBA(“Restart”)、ELO(“Real Love”)、The Beatles(“Fighting The World”)、そしてglam(“LA On My Mind”)などの影響も感じられます。”Fighting The Wold”ではFarncis LaiのBilitisのオリジナルサウンドトラックを思わせる部分もありますが、多分それはキーボードサウンドであって、私の勝手な考えかもしれません。そういった意見は褒め言葉ですか?それとも、びっくりしますか?
「なるほど、いくつかは合っていると思う。僕はABBAが大好きで、彼らのセルフタイトル・レコードを先日も聴いていたんだけど、僕たちが”Queen of Denmark”をジョン・グラントとやった時に、彼が喉をウォーミングアップするために”SOS”を歌っていたのを思い出した。Francis Laiの指摘は面白いな。アレックスの曲は、プロダクションに関して少しフランスの影響があったと思う。誰もが何気なくどんな音楽を基にトラックを作ろうかを考えるのは自然なことだと思うけど、僕は出来るだけ、曲の自然の流れや自分たちの音楽からの影響に基づいて作品を作るようにしているんだ。」

・答えづらい質問かもしれませんが、アルバムの中で特に満足している一曲はありますか?もしくは、作品を最も要約している曲はありますか?
「’Unlikely Force’は僕たちが一番最初に作り始めた曲で、一番最初にこのプロジェクトに関してイエスと言ってくれたのは、実はベンだった。”この実験(コラボレーション)が実際に機能するか試してみよう”くらいの感じで始まったのがこの曲だったんだ。作り始めるとすぐに全員がしっくりきて、この曲をもっとプロデュースしてレコーディングしようと思った。この曲がアルバムの他の曲の道を開いたんだ。」

・アルバムを『ヴォリューム1』と呼んでいるということは、次回作を作るプランがあるのでしょうか?もしくは、新しいコラボレーターたちとの作品制作を考えているのですか?
「このプロジェクトに関する最初のアイディアは、いくつかの種類の”banquets=宴会”をやることだった。だからといって今回のメンツが次回作に参加出来ないというわけではない。でも、確実に新しい”ゲスト”は参加することになるだろうね。」

・これから沢山のショーが待っていると思います。それをコーディネートするのは容易ではなかったと思いますが、BNQTのパフォーマンスはどれくらい目にする事が出来るのでしょう?
「そんなに頻繁にショーは出来ないけど、ショーの一つ一つがスペシャルなものになるのは確か!」

お次はグランダディのジェイソン・ライトルのショート・インタビューをどうぞ!
JASON LYTLE (Grandaddy)

・レコーディングと自身の曲のアレンジにどの程度関わりましたか?また、他のトラックのレコーディングにも何かしらの形で参加しているのでしょうか?
「レコーディングには結構関わっていたし、自分の作品2曲のアレンジに関わった。何に使おうか迷っていたいくつかの曲のラフなバージョンをデントンにいるミッドレイクのメンバーに送ったんだ。僕は自分のバンドのLPも同時に制作中で…どの曲がそのアルバムに入りそうかを考えていた。で、”Falling at Feeling”は、ゆっくりと一気飲みをするような曲で、ピアノで演奏するのがすごく楽しかったんだけど、”グランダディーの曲”とはあまり呼べなかったんだ。だから、あの曲が自分の居場所、BNQTという新しい人生を見つけられて良かったよ。最終的に、僕はデントンに飛んで、彼らと数日かけてレコーディングして、2曲のアレンジもやったんだ。」

・自分のバンドでの楽曲制作やレコーディングとは違うアプローチは何かありましたか?
「もちろん。いつもはまず僕が全ての音楽を書いて、レコーディングもほぼ全て自分でやるからね。ヴォーカルとメインメロディだけをまず作って、それをデントンにいる素晴らしいプレイヤーの元に持って行き、インストやアレンジのアイディアを加えて自分の枠を超えたレベルに上げていくのは、すごく楽しかったよ。」

・BNQTのショーを見るのは楽しみですが、スケジュールを合わせるのは大変だと思います。”スーパーグループ”と一緒にプレイすることの一番の魅力とは何でしょう?また、自分のバンドのショーとはどのように異なると思いますか?
「自分の仕事もストレスも断然少ないし、”フロントマン”でないところ。だからショーを存分に楽しめるし、リラックス出来るし、気持ちよく酔って何も考えない時間も多くなるだろうね。」

アルバム全曲試聴実施中!

最後はバンド・オブ・ホーセズのベン・ブライドウェルのインタビューをお届け。
BEN BRIDWELL (Band of Horses)

・エリックとはどのようにして知り合ったのですか?そして、BNQTに関わることになったいきさつは?
「僕が覚えている限りでは、ダラスの小さなアリーナでのショーで、バンド・オブ・ホーセズとミッドレイクが共演した時だったと思う。彼らは、熟練したミュージシャンにしてはすごく礼儀正しかった(笑)そのあと、僕たちは一緒にフルでツアーをやって、友達になったんだ。数ヶ月後、エリックがメッセージを送ってきて、彼らが作業しているコラボ・プロジェクトに曲を提供することに興味があるかと聞いてきた。未発表のデモが沢山溜まっていたから、それをどうにかするために、僕はすぐに参戦したんだ。僕が抱えていたガラクタを、才能溢れる彼らにオシャレにしてもらおうってね!笑」

・レコーディングと自身の曲のアレンジにはどの程度関わりましたか?また、他のトラックのレコーディングにも何かしらの形で参加しているのでしょうか?
「残念ながら、デントンには行けなかったから僕はメールのやりとりで作業したんだ。彼らが色々手を加えてくれて、僕がそれをサウス・カロライナにある倉庫の中で友人と一緒にレコーディングしたんだ。あと、エリックの”Real Love”ではバック・ヴォーカルで参加させてもらってる。あの曲、いい曲だよね!」

from BNQT twitter

・曲は、BQNTのために書いたのですか?どのような音楽がこのプロジェクトに合うと思いましたか?
「いや、自分が既に書いていたデモから選んだんだ。そのなかからいくつかをエリックに送って、彼がそのうち2曲から何かを感じ取ったらしく、彼があの2曲を選んだ。何であの2曲が他のトラックと合うを思ったんだろうね。歌詞もわいせつなのにさ。笑」


・自分のバンドでのライティングやレコーディングとは違うアプローチは何かありましたか?

「あったよ。アレンジとインストの使い方が自分のバンドの音楽よりも多少洗練されていると思う。僕にとっては、そこがエキサイティングだったんだ。ちょっと違うことをするのっていいよね」

・最後に”スーパーグループ”と一緒にプレイすることの一番の魅力とは何でしょう?また、自分のバンドのショーとはどのように異なると思いますか?
「まず何よりも、セットリストの全ての曲で歌わなくていいところだね!」

BNQT / Volume 1 (jake-sya)(HSE-4052) WEB

■リリース情報
アーティスト:BNQT (バンケット)
タイトル:Volume 1. (ヴォリューム 1)
レーベル: Bella Union / Hostess
品番:HSE-4052
発売日:2015/5/17 (水)
価格:2100円+税
※初回仕様限定:ボーナストラック・ダウンロードコード付ステッカー封入(フォーマット:mp3)。歌詞対訳、ライナーノーツ(粉川しの)付

<トラックリスト>
1 Restart
2 Unlikely Force
3 100 Million Miles
4 Mind Of A Man
5 Hey Banana
6 Real Love
7 Failing at Feeling
8 L.A. On My Mind
9 Tara
10 Fighting The World

日本盤ダウンロード・ボーナストラック
1.Restart (Live At The BBC)

※iTunesにて絶賛配信中!
リンク:https://itunes.apple.com/jp/album/volume-1/id1199778848?app=itunes&ls=1&at=11lwRX

■バイオグラフィー
アメリカのインディー・ロックバンド、ミッドレイクのメンバーであるエリック・プリード(guitar)、マッケンジー・スミス(drums)、ジョーイ・マクレラン(guitar)、そしてジェシー・チャンドラー(keys)を筆頭に、ベン・ブライドウェル(バンド・オブ・ホーセズ)、アレックス・カプラノス(フランツ・フェルディナンド)、フラン・ヒーリィ(トラヴィス)、そしてジェイソン・ライトル(グランダディ)によって結成されたスーパーバンド、BNQT(バンケット)。2017年5月、デビュー・アルバム『ヴォリューム 1』をリリースした。