【祝!デビュー作記念インタビュー】サーフ・ドゥーム聴いてる?そんなジャンルを牽引する彼らはザ・ウィッチーズ!


自称サーフ・ドゥーム・バンド、ザ・ウィッチーズのデビューアルバム『アナベル・ドリーム・リーダー』が8月27日(水)にリリースされました!

というわけで、彼ら(厳密に言えばベーシストのダン・ラムジー)へのオフィシャル・インタビューをDCにてプレミア!と、その前に、まず簡潔に彼らのサウンドがわかるようヴォーカルのクリスチャン・ベル、そしてドラマーのジャンニ・ハニーが「自分のサウンドを表して」と催促され、描いた絵をチェック。


彼らのタンブラーサイトへ飛ぶと、どんな質問にでも丁寧に答えてくれる彼らが見受けられます。

「何でもうアルバムが送られてくるの?リリース日って25日じゃないの?」―早く送られてきてもいいじゃん!って思うけど。「25日リリースのはずなんだけどね、なぜか既にアルバムを持ってる人がいるんだよね」(Q&Aというか、日常会話?)温厚さがじわじわと伝わるやり取りです。

そんなジェントルマン三人にまつわることで個人的に気になったのは、ど・ユニークな世界観を表しているアートワーク!!

Q. で、ザ・ウィッチーズのアートワークって誰が手掛けているの?

A. Samuel Gull/サムエル・ガル

だってこれ:

それにこれ:

あとこれも:
作品は少ないですが、彼のタンブラーに幾つかディスプレイされています!チェック!

ちなみにザ・ウィッチーズのウェブサイト・デザインも手掛けています!このポップなサイケ感がメガかわいいです。

The Wytches

アートワークは全部友達であるサムくんに任せているよう。若干ゾクっとする奇妙な絵をカラフルでポップに仕立てたイラストは、音楽を聴き、思うがままにサムが描き上げているんだとか!(情報源:The Line Of Best Fitでのインタビュー)

そこでサムがインスピレーションをもらっているザ・ウィッチーズの音源を、最新ミュージックビデオからチェック:「Burn Out Bruise」

現代サイケ界の中で割かしダークな影を持ちながらも、そのダークさに浸って楽しんでいる度はピカイチなバンドではないか?と思います。

そこで(お待たせしました!)ベーシストのダン・ラムジーくん(写真中央)へ向けたthe sign magazineでおなじみ小林祥晴さんのインタビューをこの度DCにて公開しちゃいます!

THE WYTCHES INTERVIEW

"This is just the sound of our entrance into the music world."

●最近イギリスからは良質な新人バンドがたくさん現れていますが、その中でも『アナベル・ドリーム・リーダー』は一際個性的で魅惑的な作品だと感じました。あなた達自身としては、完成したこのアルバムにどのような感想を抱いていますか?

これ以上満足できないくらい満足しているよ。テクニカルな話をすると、柔らかいサウンドを持ったアルバムではないよね。僕たちのライブサウンドに近く、辛辣で肝の据わったサウンドだ。テープに録音することの良いところといえば、部屋のサウンドをフルに取り込むことができるというところ。テープ以外ではもう録音したくないな。

●順を追って訊かせてください。あなた達3人は、それぞれどのような音楽を聴いて育ったのでしょうか?

クリスチャンはラッシュ、ブラック・サバスを聴きながら育ったんだ。ダンはローリング・ストーンズ、ザ・フー。ジャンニが何を聴いて育ったかはちょっとわからないな。だけど僕たちみんなAFIだとかザ・ミスフィッツだとか、暗いバンドにはハマっていたね。僕たちが聴く共通の音楽といえばその二つかな。

●以前は3人とも別のハードコア・バンドに所属していたそうですが、ウィッチーズからはハードコアの面影はあまり感じられません。今現在の自分達を形成する上で欠かすことができない影響を与えたアーティスト、作品を挙げるとすれば何になりますか? 理由と併せて教えてください。

ザ・ウィッチーズのサウンドを構築するに置いてハードコアなサウンドは特に影響源として入っていなかったからね。しいて言えば、ハードコアのDIYな倫理に従ったくらいかな。従わざるを得なかったんだ。誰からにも助けをもらわず、自分たちが知っている範囲のことを施した。自分でCDを作成して、ライブをブッキングして、何マイルも離れたところでライブをするときはメガバスに乗って行ったよ。

●あなた達はブライトンを拠点としていますが、ブライトンという土地や地元のシーンに何かしらの形で影響を受けているところはあると思いますか?

全くだよ。見返してみれば全くシーンには属してなかったな。自分たちは自分たちって割り切っていたね。だけどブライトンを代表するバンドには沢山友達がいるよ、タイガーカブとか、The Xcertsとかね。厳密に言うと、バンドはピーターバラで結成されたんだ。そこで最初の何曲かが書かれたんだよ。だからというのも何だけど、ブライトンからは全く影響を受けていないんだよね。

●サーフ・ガレージの源流に位置付けられるリンク・レイにも通じるような、深いリヴァーブの効いたギター・サウンドがウィッチーズの特徴のひとつだと思いますが、このサウンドにはどのようにしてたどり着いたのですか? また、このサウンドのどのような点に魅力を感じているのでしょうか?

クリスチャンは本当に長時間かけて曲を構成していくんだ。彼は誰も手に入れることを知らない秘密の材料を持ち併せているんだ。

●あなた達の音楽を聴いて、『ナゲッツ』に収録されていたような60年代のサイケデリック・ガレージを思い出す人も少なくないと思いますが、そのような意見に対してはどのような感想を持ちますか?

光栄に思うよ。本当に。特定の年代を狙って音楽を作っているわけじゃないけど、もし誰かに「何十年代を彷彿させる」と言われるのであれば、60年代が一番嬉しいからね。

●ウィッチーズの音楽からは苛立ちや鬱屈とした感情、そしてそれが転化して生まれたアグレッシヴさが感じられます。ただ、それは何に起因しているのだと思いますか?

こればかりはクリスチャンに代わって答えられないけど、確かなことは彼が17か18歳だった時にこの曲たちが書かれたということ。その年齢の子供はみんな苛立ちや憂鬱さを感じている真っ最中だと思わないか?解釈の仕方は違うかもしれないけれど、その年齢の子たちには僕たちの1stアルバムは響くと思うよ。

●どこかホラー的でゴシックなムードというのは、ウィッチーズにとって重要な要素ですか?

そうでもないよ。ゴシックというよりも面白いことなんだよね。僕たちみんなダークな音楽が好きだけど、反語的な表現として度を越してやることがあるんだ。例えばでっかいリフを入れる、だとかね。人がうんざりしてしまうくらい大げさにやるのが大好きなんだ。

●シングルの“Beehive Queen”は、ヴィンテージ機材が揃ったロンドンのトゥ・ラグ・スタジオで、リアム・ワトソンをプロデューサーに迎えて制作されたそうですが、その時の経験は自分達にとってどのようなものでしたか?

トゥ・ラグでレコーディングするのはあの時が初めてだったんだ。リアムは僕たちの視野を広げてくれて、沢山の可能性に満ちた魔法の世界へと目を向けさせてくれた。デジタル・スタジオでレコーディングをしたことはあったんだけど、仕上がりがいまいち僕たちらしくなくて、音源を使ったことはなかったんだ。リアムは僕たちがレコーディングしたものがそっくりそのまま音源に落とすことを保証してくれたんだ。

●このたび完成した『アナベル・ドリーム・リーダー』は、どのようなアルバムにすることを目指していたのでしょうか?

僕たちの初期を表す謙虚な曲目を持ったもの。

●このアルバムのキー・トラックを挙げるとすれば、どれになりますか? 理由と併せて教えてください。

「Summer Again」かな。あの曲をメンバー全員で弾いたのはレコーディングの30分前だったんだ。だからジャムみたいだったね。いい感じにゆるいんだ。

●本作は元コーラルのビル・ライダー・ジョーンズとも共同プロデュースですが、彼の存在はどのような点でプラスになりましたか?

彼はアルバムレコーディング経験者で僕たちはそうでなかった。だから彼は何に注意を払えばいいのか、何をするべきでないかしっかりと把握していたんだ。しいて言えば、僕たちを見守ってくれる兄貴みたいな存在だった。彼は最高なオルガンのパートを思いついてくれて、僕たちのアルバムでも演奏してくれたんだ。彼と仕事が出来てとても嬉しかったよ。

●本作のリリース元である〈ヘヴンリー〉には、テンプルス、トーイ、チャーリー・ボイヤー・アンド・ザ・ヴォイヤーズなどのサイケデリックな若手バンドが数多く所属していますが、彼らに音楽性やメンタリティの面で共感する部分はありますか?

そうでもないね。何でかって自分たちをサイケ・バンドとして認識していないからさ。だけど僕たちをに繋ぎとめているのは彼らと似通った雰囲気を醸し出しているからだと思うよ。

●他にも、あなた達が共感する同時代のアーティストがいれば、理由と併せて教えてください。

ピーターバラ/ロンドン発のブロンド・バニーかな。彼ら才能漲るミュージシャンでね。ライブで観る時は必ず驚嘆させられる。彼らは常に自身の可能性を拡げていっていて、常に新しいものを生み出しているんだ。

●ウィッチーズのバンドとしての最大の野望は何ですか?

自分たちを真剣に捉えないこと。

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それでは最後にヴォーカル、クリスチャン・ベルがアルバムの中でも最も気に入ってると話す「Weight & Ties」のアコースティック・セッションを聴いてちょっぴり癒されましょう。

サイケ好きな方も、サイケ好きでない方も試しに一度は聴いてもらいたい鮮烈な一枚、『アナベル・ドリーム・リーダー』、絶賛発売中です!

■リリース情報20140825182757.jpg
アーティスト名: The Wytches (ザ・ウィッチーズ)
タイトル: Annabel Dream Reader (アナベル・ドリーム・リーダー)
レーベル: Heavenly Recordings / Hostess
流通品番 : HSE-30340
リリース日: 発売中!
定価 : 2,371円+税
■日本盤はボーナストラック3曲、歌詞対訳、ライナーノーツ 付